AI組織とは、Claude Codeのような対話型AIエージェントに部署・役職・担当業務を割り当て、一人の経営者が指揮系統を通じて実務を任せる働き方です。
「一人社長だけど、まるで社員が何十人もいるみたいに仕事が回っている」――そう聞くと、なにか特殊な魔法を使っているように思われるかもしれません。でも実態はいたってシンプルです。須崎がやったのは、頭の中にあった「この仕事は誰に任せたいか」を、そのまま組織図として紙(ファイル)に書き出しただけです。
この記事では、須崎が実際に運用しているAI組織図をそのまま公開します。指揮系統の作り方、部署の設計思想、そして「顧問団」という第二のAIチームまで、明日から真似できる形で解説します。
この記事でわかること
・須崎のAI組織図の全体構造(社長→秘書室→6部署/顧問団)
・「ポスト(部署)」と「人(頭脳)」を分離する設計思想
・実務6部署の担当領域と部長の決め方
・議論専門の「天才会議」15名チームとの使い分け
・自分の会社で今日から真似する3ステップ
須崎のAI組織図:社長ひとり、部署は6つ
まず全体像から見てもらったほうが早いです。須崎の会社の指揮系統は、こういう構造になっています。
ポイントは、須崎自身は「秘書室」としか直接やり取りしないということです。秘書室が話の内容を聞いて、「これは広報部の仕事だな」「これはWeb管理部だな」と自動で担当部署に振り分けます。須崎は6部署の細かい手順を全部覚えている必要がありません。
実務を回す6部署とその部長
2026年7月に全6部署が出そろいました。それぞれに「部長」という役職があり、実在の著名な仕事人の思考様式をベースに、須崎の好みや文体を学習させた「その人×須崎モデル」が部長を務めています。
各部署には「職務.md」「台帳.md」「日誌.md」「部長.md」という4つのファイルがあります。どの部署がどこまでの権限を持つか、何を資産として持っているか、これまで何をやってきたか、そして部長の思考の癖――これが全部テキストファイルとして残っているので、須崎がいちいち説明しなくても、次にその部署に仕事を振ったときにはちゃんと文脈を引き継いでくれます。
「ポスト(部署)」と「人(頭脳)」を分ける設計
須崎のAI組織で一番大事にしているのは、部署という「箱」と、そこに座る部長という「頭脳」を、はっきり別物として扱っていることです。
部署の資産――職務内容、これまでの実績、蓄積したノウハウ――は、部長が変わってもそのまま残ります。差し替え可能なのは「部長.md」という頭脳ファイル1つだけ。もし須崎が「この部長の仕事の質、なんか合わないな」と感じたら、部署ごと作り直すのではなく、部長のファイルだけを交代させればいい設計です。
- ✗ 業務ノウハウが一緒に消える
- ✗ 引き継ぎに時間がかかる
- ✗ 採用・教育のコストが毎回発生
- ✓ 部署の資産・台帳はそのまま残る
- ✓ 頭脳ファイル1つ差し替えるだけ
- ✓ 引き継ぎコストがほぼゼロ
もう一つ大事な運用ルールがあります。須崎が仕事の仕上がりにダメ出しをしたときは、その内容を担当部長の「フィードバック蓄積」に書き足していきます。つまり部長は使えば使うほど、須崎の好みの粒度に育っていく仕組みです。逆に仕事が終わったら、その部署の「日誌」に1行必ず記録する。これで、誰が読んでも「この部署が今まで何をやってきたか」が一目でわかる引き継ぎ書になります。
実務部隊とは別枠の「天才会議」15名
ここまでが実務を回す「社員」の話です。でも須崎の組織には、もう一つ別の階層があります。それが「天才会議」と呼んでいる、議論と判断の視点を専門に担う15名のチームです。
実務部署が「手を動かして仕事を完成させる」役割だとすれば、天才会議は「その仕事の方向性が正しいかを、いろんな角度から検証する」役割です。マーケティング戦略・セールス実行・エンタメ演出・顧客サクセスという4つの本部に加えて、どのタスクにも横から口を出せる「横断アドバイザー」がいます。
実務部署とは違い、天才会議は「実在の人物の発言」として外部に公開することはありません。あくまで思考のフレームワークとして社内(須崎とAIの間)で使うルールです。そして最終判断は、部長も天才会議も関与できず、常に須崎自身が行います。AIはどこまでいっても提案と下書きまで。ここの線引きだけは崩していません。
自分の会社でAI組織を作る3ステップ
本格的な6部署体制を最初から作る必要はありません。須崎自身、最初は「広報まわりを1つのAIに任せる」ところから始めています。真似するなら、この順番がおすすめです。
ステップ1:自分が繰り返しやっている業務を書き出す
1週間の業務を振り返って、「これは毎回自分でやっている」というものをリストアップします。メルマガ執筆、SNS投稿、経費集計、議事録作成……。この時点では細かく考えず、思いつくまま書き出すだけで構いません。
ステップ2:似た業務をグルーピングして「部署」にする
書き出した業務を眺めると、自然と「発信系」「事務系」「顧客対応系」のようにグループが見えてきます。それぞれに部署名をつけて、「この部署が担当する業務」「使うツール・スキル」「やらないこと(境界線)」の3点をテキストファイルにまとめます。これが須崎で言う「職務.md」にあたります。
ステップ3:仕事を振って、日誌に記録する運用を回す
部署ができたら、実際にその部署に仕事を振ってみます。ポイントは、仕上がりへのダメ出しや「これは違う、こうしてほしい」という指摘を、その場限りにせずファイルに書き残すことです。積み重ねるほど、次に同じ部署へ仕事を振ったときの精度が上がっていきます。
この3ステップさえ回せば、部署は自然と増えていきます。須崎の場合も、最初の1部署から半年ほどかけて6部署まで広がりました。焦って全部を一度に作る必要はありません。
よくある質問
AI組織を作るのに専門的なプログラミング知識は必要ですか?
不要です。須崎の組織図も、部署ごとの役割や指揮系統をテキストファイルで書いているだけです。「どの話題が来たらどの部署に振るか」を日本語の文章でまとめておけば機能します。
部長にはどうやって人物像を割り当てているのですか?
実在の著名な仕事人の考え方・判断軸を土台にしつつ、須崎自身の口調や好みを重ねた「その人×須崎モデル」として運用しています。あくまで思考のフレームワークとして使うものです。
実務部署と天才会議、どちらから始めるべきですか?
実務部署から始めるのがおすすめです。天才会議のような議論専門チームは、実務の土台がある程度回るようになってから、判断の質を上げる目的で追加すると効果を感じやすくなります。
まとめ
AI組織は、特別な技術がなくても「誰にどの仕事を任せたいか」を書き出すことから始められます。須崎の場合は、実務を担う6部署と、判断の視点を出す天才会議という2階層に分けたことで、一人でも何十人もの会社のような働き方が実現できています。
この記事のポイントまとめ
・AI組織は「秘書室が受付・部署に振り分け」の指揮系統で回す
・部署(ポスト)と部長(頭脳)を分離すると、交代コストがほぼゼロになる
・実務部署とは別に「議論専門」の顧問団を持つと判断の質が上がる
・最終判断は常に自分。AIは提案・下書きまでの役割にとどめる
・いきなり6部署は不要。1部署から書き出して育てればいい


