AI組織とは、Claude Codeのような対話型AIエージェントに部署・役職・担当業務を割り当て、一人の経営者が指揮系統を通じて実務を任せる働き方です。
「一人社長でも、複数の担当者がいるように仕事を分担できる」と聞くと、特殊な仕組みに思われるかもしれません。でも実態はシンプルです。頭の中にあった「この仕事は誰に任せたいか」を、組織図とテキストファイルに書き出して運用しています。
この記事では、実際に運用しているAI組織図を公開します。指揮系統の作り方、部署の設計思想、そして「顧問団」という第二のAIチームまで、自分の仕事に置き換えられる形で解説します。
この記事でわかること
・AI組織図の全体構造(社長→秘書室→営業本部・6部署/顧問団)
・「ポスト(部署)」と「人(頭脳)」を分離する設計思想
・実務6部署の担当領域と部長の決め方
・議論専門の「天才会議」15名チームとの使い分け
・自分の会社で今日から真似する3ステップ
AI組織図:社長ひとり、部署は6つ
まずは全体像から紹介します。現在の指揮系統は、次の構造です。
ポイントは、依頼の受付を「秘書室」に集約していることです。秘書室が内容を確認し、「これはメディア部」「これはインフラ部」と担当部署へ振り分けます。カレンダー、タスク、朝のルーティンなどは秘書室が直接実行します。依頼する側が6部署の細かな手順をすべて覚える必要はありません。
実務を回す6部署とその部長
2026年7月22日の組織改編後は、営業本部にメディア部とコミュニティ部を置き、顧客部・インフラ部・経理部・商品開発部を加えた6部署で運用しています。それぞれに「部長」という役割があり、公開されている仕事人の思考法と、実際の運用方針・文体・フィードバックを組み合わせたAIモデルを使っています。
AIモデル表記について
記事内で触れる部長・顧問は、各本人が実際にCENLEAFへ所属・参加・監修・推薦・提携しているものではありません。公開された思考法を参考にしたAIモデルです。
各部署には「職務.md」「台帳.md」「日誌.md」「KPI.md」「部長.md」という5つの標準ファイルがあります。担当範囲、資産、変更履歴、判断に使う数字、部長の思考モデルを分けて残すことで、次に同じ部署へ仕事を振ったときも文脈を引き継げます。
「ポスト(部署)」と「人(頭脳)」を分ける設計
このAI組織で大事にしているのは、部署という「箱」と、そこに座る部長という「頭脳」を、はっきり別物として扱うことです。
部署の資産――職務内容、これまでの実績、蓄積したノウハウ――は、部長が変わってもそのまま残ります。差し替え可能なのは「部長.md」という頭脳ファイル1つだけ。仕事の進め方が合わない場合も、部署ごと作り直さず、部長のファイルだけを交代できる設計です。
- ✗ 業務ノウハウが一緒に消える
- ✗ 引き継ぎに時間がかかる
- ✗ 採用・教育のコストが毎回発生
- ✓ 部署の資産・台帳はそのまま残る
- ✓ 頭脳ファイル1つ差し替えるだけ
- ✓ 引き継ぎコストがほぼゼロ
もう一つ大事なのが、仕上がりへのフィードバックを担当部長の「フィードバック蓄積」に書き足す運用です。案件・変更・発見があったときは部署の「日誌」に記録し、改修は変更内容・仮説・検証予定日まで残します。定常業務まで機械的に記録するのではなく、次の判断に必要な履歴を引き継ぎ書にします。
実務部隊とは別枠の「天才会議」15名
ここまでが実務を回す「社員」の話です。もう一つ別の階層として、「天才会議」と呼ぶ、議論と判断の視点を専門に担う15名の顧問団があります。
実務部署が「手を動かして仕事を完成させる」役割だとすれば、天才会議は「その仕事の方向性が正しいかを、複数の角度から検証する」役割です。戦略、セールス、顧客体験、数字、コンテンツなど、案件に合う視点を組み合わせます。
実務部署とは違い、天才会議は実在の人物本人として発言させる仕組みではありません。公開された思考法を参考に、社内の検討材料として使うAIモデルです。各本人がCENLEAFへ所属・参加・監修・推薦・提携しているという意味ではありません。最終判断は常に人が行い、AIは下書き・提案・検証を担います。
自分の会社でAI組織を作る3ステップ
本格的な6部署体制を最初から作る必要はありません。繰り返しが多い業務を1つ選び、担当範囲と境界を決めるところから始めるのがおすすめです。
ステップ1:自分が繰り返しやっている業務を書き出す
1週間の業務を振り返って、「これは毎回自分でやっている」というものをリストアップします。メルマガ執筆、SNS投稿、経費集計、議事録作成……。この時点では細かく考えず、思いつくまま書き出すだけで構いません。
ステップ2:似た業務をグルーピングして「部署」にする
書き出した業務を眺めると、自然と「発信系」「事務系」「顧客対応系」のようにグループが見えてきます。それぞれに部署名をつけて、「この部署が担当する業務」「使うツール・スキル」「やらないこと(境界線)」の3点をテキストファイルにまとめます。これが「職務.md」にあたります。
ステップ3:仕事を振って、日誌に記録する運用を回す
部署ができたら、実際にその部署に仕事を振ってみます。ポイントは、仕上がりへのダメ出しや「これは違う、こうしてほしい」という指摘を、その場限りにせずファイルに書き残すことです。積み重ねるほど、次に同じ部署へ仕事を振ったときの精度が上がっていきます。
この3ステップを回すと、必要な部署と不要な部署が見えてきます。最初から数を増やさず、1部署で運用を確かめてから広げる方が、役割の重複を防げます。
よくある質問
AI組織を作るのに専門的なプログラミング知識は必要ですか?
不要です。この組織図も、部署ごとの役割や指揮系統をテキストファイルで書いています。「どの話題が来たらどの部署に振るか」を日本語の文章でまとめるところから始められます。
部長にはどうやって人物像を割り当てているのですか?
公開されている仕事人の考え方・判断軸を参考にしつつ、実際の運用方針・文体・フィードバックを重ねたAIモデルとして使います。本人が所属・参加・監修・推薦・提携しているものではありません。
実務部署と天才会議、どちらから始めるべきですか?
実務部署から始めるのがおすすめです。天才会議のような議論専門チームは、実務の土台がある程度回るようになってから、判断の質を上げる目的で追加すると効果を感じやすくなります。
まとめ
AI組織は、特別な技術がなくても「誰にどの仕事を任せたいか」を書き出すことから始められます。実務を担う6部署と、判断の視点を出す天才会議を分けることで、実行と検討が混ざらず、依頼先と責任範囲を明確にできます。
この記事のポイントまとめ
・AI組織は「秘書室が受付・部署に振り分け」の指揮系統で回す
・部署(ポスト)と部長(頭脳)を分離すると、交代コストがほぼゼロになる
・実務部署とは別に「議論専門」の顧問団を持つと判断の質が上がる
・最終判断は常に自分。AIは提案・下書きまでの役割にとどめる
・いきなり6部署は不要。1部署から書き出して育てればいい


