2026年2月、株式会社AI HYVEと合同会社N-3が、「行政オープンデータリモートMCPサーバー」を無料で公開しました。これにより、Claude CodeなどのAIクローンから、行政が公開しているデータに直接アクセスできるようになっています。
「MCPサーバーって何?」「自分のビジネスにどう活かせるの?」と思う方も多いでしょう。プログラミングの知識は一切不要で、AIクローンに日本語で指示するだけで使えるのがポイントです。
この記事でわかること
・行政オープンデータMCPサーバーとは何か
・無料で使える3つの行政API(不動産・入札・政府統計)
・AIクローンと連携させるとどんな業務が自動化できるか
・どんな業種・職種にメリットがあるか(活用係数つき)
・利用時の注意点
行政オープンデータMCPサーバーとは?
まず「MCP」という言葉から解説します。MCP(Model Context Protocol)とは、AIが外部のツールやデータソースと接続するためのオープンな標準規格です。
これまでAIは、学習済みのデータをもとに回答するのが基本でした。しかしMCPを使うことで、AIがリアルタイムで外部のデータを取得し、最新の情報をもとに回答できるようになります。
今回公開された「行政オープンデータリモートMCPサーバー」は、この仕組みを活用して、国が公開している行政APIのデータをAIクローンから直接取得できるようにしたサービスです。
須崎が普段使っているClaude CodeはMCPに完全対応しているので、まさにこの仕組みと相性ぴったり。AIクローンに「不動産の相場を調べて」「入札案件を探して」と指示するだけで、自動的にデータを取りに行ってくれます。
3つの大きな特徴
① 完全無料・APIキー不要
利用料はゼロ。面倒なAPI登録やキーの取得も不要です。
② オンライン完結(リモート型)
自分のパソコンに何かを追加インストールする必要はありません。MCPの設定にURLを追加するだけです。
③ MCP公式レジストリに掲載
MCP公式の「MCP Registry」に掲載されており、信頼性の高い接続口として整備されています。
AIクローンから使える3つの行政API
| API名 | 提供元 | 取得できるデータ | AIクローンへの指示例 |
|---|---|---|---|
| 不動産情報ライブラリAPI | 国土交通省 | エリア別の不動産取引価格データ | 「大阪市北区のマンション相場を調べて」 |
| 官公需情報ポータルサイト検索API | 中小企業庁 | 官公需(公共案件)の入札情報 | 「IT関連の最新入札案件を探して」 |
| e-Stat API | 総務省 | 人口・労働・観光などの政府統計 | 「〇〇市の人口推移をまとめて」 |
いずれもAIクローンに日本語で指示するだけで、自動的にデータを取得して分析・要約してくれます。従来のように、各省庁のサイトを個別に巡回して、複雑な検索条件を入力して…という手間はもう不要です。
AIクローン × 行政データで何が変わる?具体的なユースケース
AIクローンと行政データMCPサーバーを組み合わせると、これまで手作業でやっていたリサーチ業務が劇的に変わります。
ユースケース①:不動産業の査定作業
従来:レインズや不動産情報サイトを複数巡回 → Excelにコピペ → 手動で相場を集計(所要時間:2〜3時間)
AIクローン活用後:「神戸市東灘区のマンション取引価格の推移を調べて整理して」→ AIクローンがAPIからデータ取得&表にまとめる(所要時間:2〜3分)
ユースケース②:中小企業の入札案件探し
従来:官公需ポータルサイトを毎日チェック → 条件に合う案件を手動でピックアップ(所要時間:毎日30分〜1時間)
AIクローン活用後:「建設関連の新着入札案件をまとめて」→ AIクローンが条件に合う案件を自動抽出&要約(所要時間:1分)
ユースケース③:コンサルタントのレポート作成
従来:e-Statで統計データを検索 → CSVダウンロード → Excel加工 → PowerPoint作成(所要時間:半日〜1日)
AIクローン活用後:「○○業界の市場規模推移と人口動態をレポートにまとめて」→ AIクローンがデータ取得&分析&レポート下書き完成(所要時間:10分)
ユースケース④:士業(行政書士・司法書士)の調査業務
従来:法務局の資料や国土交通省のデータベースを手動で調査(所要時間:1〜2時間)
AIクローン活用後:「この地域の不動産取引価格と直近の統計データをまとめて」→ AIクローンが複数のAPIを横断して調査&整理(所要時間:3分)
どんな業種にメリットがある?活用係数一覧
| 業種・職種 | 活用シーン | 従来の課題 | AIクローンで効率化できること | 活用係数 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産業(仲介・査定) | 物件査定、エリア相場調査 | 複数サイトで手作業検索→Excel集計 | 「この地域の相場は?」で即取得&分析 | ★★★★★ |
| 行政書士・司法書士 | 不動産登記の価格調査、入札情報収集 | 法務局や官公需サイトを個別に確認 | 自然言語で一括検索、参考データ自動取得 | ★★★★★ |
| 中小企業(営業部門) | 公共入札案件の探索 | 官公需ポータルを毎日チェック | 「新着入札を探して」で自動監視&通知 | ★★★★★ |
| コンサルティング業 | 市場調査レポート作成 | 統計局サイトでデータ検索→Excel加工 | 「市場規模推移をまとめて」でレポート下書き完成 | ★★★★ |
| 金融業(融資・審査) | 不動産担保評価、地域経済分析 | 複数の政府統計を手動で突き合わせ | 経済データ+不動産価格を一括取得して審査資料作成 | ★★★★ |
| 建設・土木業 | 公共工事の入札情報収集 | 各省庁の入札サイトを巡回 | AIクローンが毎日自動で案件を抽出&条件に合うものだけ報告 | ★★★★ |
| 地方自治体・公務員 | 政策立案のデータ収集 | e-Statの操作が複雑、データ加工に時間 | 「うちの市と近隣市の高齢化率を比較して」で即比較 | ★★★★ |
| マーケティング会社 | 出店計画・商圏分析 | 人口統計+不動産データを手動結合 | 人口動態×不動産価格の地域横断分析を自然言語で実行 | ★★★★ |
| 税理士・会計士 | 不動産評価、固定資産税相談 | 路線価サイト等で個別調査 | エリア相場データを瞬時に取得して顧客に提示 | ★★★ |
| 記者・ライター | データジャーナリズム、統計記事 | 統計データの検索・加工がボトルネック | 「少子化の最新データを教えて」で裏付けデータ取得 | ★★★ |
特に不動産業・士業(行政書士/司法書士)・入札に参加する中小企業は、日常業務でまさに行政データを扱うことが多いため、AIクローンとの連携効果が非常に高いと言えます。
AIクローン(Claude Code)での始め方
Claude CodeはMCPに完全対応しているので、設定も簡単です。
ステップ1:MCP設定にサーバーURLを追加する
Claude Codeの設定ファイル(.mcp.json)に、以下のMCPサーバーURLを追加するだけです。
MCPサーバーURL一覧
・不動産データ:https://mcp.n-3.ai/mcp?tools=get-time,reinfolib-real-estate-price,reinfolib-city-list
・官公需(入札):https://mcp.n-3.ai/mcp?tools=kkj-search
・e-Stat(政府統計):https://mcp.n-3.ai/mcp?tools=e-stat-get-stats-list,e-stat-get-meta-info,e-stat-get-data-catalog
ステップ2:AIクローンに日本語で指示するだけ
設定が完了したら、あとはAIクローンに話しかけるだけです。
・「大阪市北区の不動産取引価格を調べて」
・「AI関連の入札案件を検索して」
・「人口の統計データを取得して」
AIクローンが自動でMCPサーバーを経由してデータを取得し、分析・要約してくれます。APIの仕様を知らなくても、AIクローンが適切なパラメータを自動で設定してくれるので、本当に「聞くだけ」で済みます。
また、GitHubで公開されているjapan-gyousei-dataをAIクローンのスキルとして取り込めば、「大阪の不動産価格を調べて」と言うだけで自動的にデータを取得する仕組みも構築できます。
利用時の注意点
① β版として提供中
現在はβ版のため、予告なく仕様変更や提供停止の可能性があります。SLA(サービスレベル保証)はありません。
② 出典の明記が必要
取得したデータを公表する際は、「出典:不動産情報ライブラリ」「出典:e-Stat」のように必ず提供元を記載してください。
③ AIの回答は正確とは限らない
AIクローンが要約・集計した結果は、必ずしも正確性が保証されるものではありません。重要な意思決定の際は、必ず一次情報を確認しましょう。
④ 各省庁の公式提供ではない
このサービスは各省庁やデジタル庁の公式提供・承認を受けたものではなく、各APIの利用規約に基づいて構築されています。
よくある質問(FAQ)
Q. プログラミングの知識がなくても使えますか?
はい、プログラミング知識は一切不要です。AIクローンのMCP設定にURLを追加するだけで始められます。あとは日本語で指示するだけで、行政データの取得・分析をAIクローンが自動で行います。
Q. AIクローン(Claude Code)以外のツールでも使えますか?
はい、MCP対応のAIツールであれば利用可能です。ChatGPTやGeminiなど、MCPに対応しているクライアントからも接続できます。ただし、Claude CodeはMCPとの相性が特に良く、スキルとして組み込めるのが強みです。
Q. 利用料金はかかりますか?
MCPサーバー自体は完全無料です。ただし、AIクローンの構築に使うClaude Code(Anthropic API)の利用料は別途必要です。
Q. 取得できるデータはリアルタイムですか?
各行政APIが提供する最新データにアクセスします。データの更新頻度は提供元(国土交通省・中小企業庁・総務省)の更新タイミングに依存します。各省庁がAPIで公開している最新版のデータが取得できます。
まとめ
行政オープンデータMCPサーバーは、AIクローンの「できること」をさらに広げてくれる強力なツールです。日本語で指示するだけで、不動産価格・入札情報・政府統計にアクセスできます。
特に不動産業・士業・中小企業の営業担当の方にとっては、日常業務の効率化に直結する仕組みと言えます。AIクローンをすでに活用している方はもちろん、これからAIクローンを始める方にとっても「AIに任せられる業務の幅」を実感できる良い事例です。
この記事のポイントまとめ
・AIクローン(Claude Code)から行政データに直接アクセスできる無料MCPサーバーが公開
・不動産取引価格・官公需入札・e-Stat政府統計の3つのAPIに対応
・プログラミング不要、AIクローンに日本語で指示するだけで利用可能
・不動産業・士業・中小企業の営業部門で特に高い効率化効果
・β版のため仕様変更の可能性あり、出典明記が必要

