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AIに任せる仕事の選び方|"マニュアルにできる仕事"から手放すと失敗しない

AIに任せる仕事の選び方|"マニュアルにできる仕事"から手放すと失敗しない
あいちゃん
あいちゃん
須崎さん、ChatGPTのアカウントは作ったんです。触ってもみました。でも、そこから進まなくて…。うちの仕事の何に使えばいいのかが、さっぱりわからないんです
須崎
須崎
その止まり方、すごく多いです。原因はツール選びじゃなくて、渡す仕事を選べていないこと。今日はその選び方だけを話します

AIに任せる仕事の選び方とは、業務を「マニュアルにできる仕事」と「できない仕事」に分け、前者だけをAIに渡す切り分け方です。

2026年8月3日に経営者向けのAI活用セミナーを開催しました。事前アンケートで最も多かった悩みが「自社の業務にどう活用できるかが、わからない」でした。ツールの使い方ではなく、使いどころがわからないという声です。

AIを触ってはみたけれど、で、自社の何に使うのか。そこで止まる。この状態でツールを追加しても、増えるのは選択肢だけで、任せる仕事は1つも決まりません。先に決めるべきなのは、渡す仕事のほうです。

この記事でわかること

・仕事を「マニュアルにできる/できない」で2つに分ける切り分け方
・求人データが示している「仕事の移動」の実際
・AI自身に業務を棚卸しさせるプロンプト(コピペして使えます)
・造園・飲食・不動産など、業種別に手順化できる仕事の実例
・分けたあと、最初の1つをどう選んで試すか

※ 実際に「手順が決まっている仕事」をAIクローンに落とし込む具体的な方法は、無料ウェビナーで解説しています。

AIに任せる仕事の選び方|まず業務を2つに分ける

切り分けの基準は1つだけです。その仕事は、マニュアルにできるか

マニュアルにできる仕事とは、ゴールと手順が決まっている仕事です。誰がやっても同じ順番でたどり着ける。手順書に書き出せる。こういう仕事は、AIに渡す候補になります。

もう一方は、マニュアルにできない仕事です。判断・関係・信頼がいる仕事。相手の顔色を見て条件を変える、長く付き合ってきた取引先に頭を下げる、最終的にどっちに賭けるかを決める。手順書に落とした瞬間に別物になってしまう仕事です。

自分に残す
マニュアルにできない仕事
  • 値引きするかどうかの最終判断
  • トラブル時の謝罪と着地点の設計
  • 誰を採用し、誰に何を任せるか
  • 長い付き合いの取引先との関係づくり
  • どの事業に張るかという方向決め
ここから渡す
AIに渡す候補
マニュアルにできる仕事
  • 見積書・請求書のたたき台づくり
  • 問い合わせメールの一次返信案
  • 打ち合わせ録音からの議事録作成
  • SNS投稿・ブログの下書き
  • 作業報告書・日報のフォーマット埋め

この分け方は、日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲さんの講演で、ゴールと手順が決まっている仕事はAIに任せた方がいい、という考え方として紹介されていました。基準がシンプルなので、その場で自分の業務にあてはめられます。

ポイントは、右側が「奪われる仕事」ではなく「渡していい仕事」だという読み方です。手順が決まっている仕事を抱えたままだと、判断や関係づくりに使える時間が残りません。渡すのは、残すためです。

あいちゃん
あいちゃん
うちの仕事は職人仕事だから全部マニュアル化できない、って思ってたんですけど…そう言われると右側、けっこうありますね
須崎
須崎
そこなんです。「職人仕事」で一括りにすると全部が左側に見える。作業単位までバラすと、右側がぼろぼろ出てきます

なぜこの切り分けが効くのか|求人データが示す「仕事の移動」

この分け方が有効なのは、実際に仕事の中身がそちらへ動いているからです。求人データにその輪郭が出ています。

求人に出ている「仕事の移動」
減っている側
事務職の求人は前年同月比36.0%減
全国求人情報協会「求人広告掲載件数」2026年6月分
増えている側
AI関連求人の割合は0.28%から1.13%へ約4倍
米メリーランド大学ロバート・H・スミス経営大学院のレポート(2026年4月)

全国求人情報協会の集計では、2026年6月分の事務職求人が前年同月比36.0%減。一方、米メリーランド大学ロバート・H・スミス経営大学院のレポート(2026年4月)では、AI関連求人が全求人に占める割合が2022年の0.28%から2025年の1.13%へ増えています。

減っているのは、手順が決まった作業をまとめて担ってきた枠です。増えているのは、AIを前提に業務を組み立てる側の枠です。仕事そのものが消えたというより、置き場所が移っているという読み方ができます。

制度の側も、そちらを向いている

2026年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更されました。制度の目的が「AI活用によるDX・ビジネス変革」に変更されています。制度の主眼そのものがAI活用に再定義されたということです。

ちなみに、ChatGPTの一般公開は2022年11月です。日経トレンディの「2023年ヒット商品ベスト30」で1位に選ばれています。数年でここまで前提が動いた、という時間感覚だけ持っておくと十分です。

「手順が決まっている仕事」を洗い出したあと、それをどう仕組みに落とすか。実際の組み立て方を無料ウェビナーで公開しています。

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実際の分け方|AI自身に業務を棚卸しさせる

紙に書き出そうとすると、たいてい手が止まります。自分の仕事は自分にとって当たり前すぎて、作業単位までバラすのが難しいからです。

ここはAIに任せたほうが早いです。棚卸しそのものをAIにやらせる。以下をChatGPTでもClaudeでもGeminiでも、そのまま貼って使えます。

COPY & PASTE
あなたは業務改善のコンサルタントです。
私は【業種:例)造園業】の経営者で、従業員は【人数】です。

これから私の1週間の業務を書き出します。
それぞれを「ゴールと手順が決まっている仕事(マニュアルにできる)」と
「判断・関係・信頼がいる仕事(マニュアルにできない)」の2つに分類してください。

分類したあと、以下も出してください。
1. マニュアルにできる仕事のうち、時間を多く使っている順に3つ
2. その3つそれぞれについて、AIに任せる場合の手順
3. 任せる際に人間が最後に確認すべきポイント

判断に迷うものは「要確認」とし、なぜ迷うのかを書いてください。

——— 私の1週間の業務 ———
【ここに思いつくまま箇条書き。順不同・重複OK】

コツは、業務をきれいに整理してから貼ろうとしないことです。思いつく順にダラダラ並べたほうが、抜けが減ります。整理はAI側の仕事です。

手順としては3つです。

1
1週間ぶんを思いつく順に書き出す
月曜の朝から金曜の夕方まで、実際にやったことを並べます。「電話に出た」「見積を直した」レベルの粒度で構いません。整理は不要です。
2
上のプロンプトに貼って分類させる
2つに分かれた結果が返ってきます。「要確認」がついたものは、あとで自分の感覚と突き合わせます。
3
分類結果に自分で赤を入れる
AIの分類は叩き台です。「これは関係性が絡むから左」と動かしていくと、自分の仕事の構造が輪郭を持ちます。この作業自体に価値があります。
あいちゃん
あいちゃん
AIに分類してもらったあと、自分で直していいんですか?せっかく出してもらったのに
須崎
須崎
むしろ直すところが本番です。AIは現場の力関係まで知らないので。叩き台があると人は判断しやすくなる、それが狙いです

業種別の具体例|手順化できる仕事は現場にもある

セミナーの参加者は、造園業・飲食・店舗・不動産・自動車塗装など、現場を持つ業種の方が中心でした。デスクワーク中心の業種ではありません。それでも右側の仕事は出てきます。

造園業
現地写真をもとにした作業内容の説明文づくり/見積項目のたたき台/作業後の報告書/植栽の管理方法をまとめた顧客向け案内文。剪定の判断そのものは職人の仕事として残ります。
飲食・店舗
日替わりメニューの告知文/SNS投稿の下書き/新人向けのオペレーション手順書/クチコミへの返信案。味の設計と現場の空気づくりは残ります。
不動産
物件紹介文の作成/内見後のフォローメール/地域情報をまとめた資料/問い合わせへの一次返信。条件交渉と最終的な相性判断は残ります。
自動車塗装
損傷状況の記録と説明文/見積の内訳整理/作業工程の顧客向け説明/リピート案内の文面。色合わせと仕上げの判断は残ります。

並べてみると共通点が見えます。右側に来るのは「説明する」「まとめる」「書き起こす」系の仕事です。本業そのものではないけれど、本業に必ずくっついてきて、まとまった時間を持っていく作業。ここが最初の渡し先になります。

分けた後の最初の一歩|1つ選んで30点で試す

分類が終わると、右側に10個も20個も並びます。ここで全部を仕組み化しようとすると、たいてい止まります。

選ぶのは1つです。基準は「毎週やっていて」「うまくできなくても誰も困らない」もの。この2つを満たす仕事から入ると、失敗のコストがほぼゼロで、しかも回数が稼げます。

そして最初から100点を狙わないことです。AIが出した1発目は、たいてい30点くらいの出来です。それを見て「使えない」と閉じるか、「ここが違う」と伝えて直させるかで、その後がまるごと変わります。30点の出力に赤を入れる作業が、そのまま自社仕様のマニュアルづくりになっているからです。

1つの仕事で「これなら任せられる」という感触が取れると、2つ目からは早くなります。渡し方のコツが自分の中にできるためです。逆に、最初の1つを決めずにツールだけ増やしていくと、いつまでも「で、何に使うのか」から先に進みません。

あいちゃん
あいちゃん
1つだけ、ですか。もっと一気にやったほうが効率いい気がしちゃいます
須崎
須崎
一気にやると、うまくいかなかった時にどれが原因かわからなくなるんです。1つなら原因がすぐ特定できる。結果的にそっちが速いです
AIに任せる仕事の選び方を無料ウェビナーで学ぶ →

よくある質問

マニュアルにできる仕事が自社にほとんど無い気がします

「営業」「施工」のような大きな単位で見ていると、そう見えます。作業単位までバラすと変わります。たとえば「営業」は、問い合わせ対応・資料づくり・見積作成・訪問・条件交渉・フォロー連絡に分解できます。このうち訪問と条件交渉以外は、手順を書き出せるものが多く含まれます。記事内のプロンプトは、この分解をAI側にやらせるためのものです。

判断が必要な仕事もAIに相談していいのでしょうか

相談は問題ありません。切り分けの目的は「最終的に誰が決めるか」を曖昧にしないことです。判断材料の整理や、選択肢の洗い出しをAIに手伝わせたうえで、決めるのは自分。この線が引けていれば、左側の仕事でAIを使っても混乱は起きません。危ないのは、決定そのものを渡してしまうケースです。

従業員の仕事が無くなるのでは、と心配です

求人データで減っているのは、手順が決まった作業をまとめて担ってきた枠です(全国求人情報協会「求人広告掲載件数」2026年6月分で事務職求人は前年同月比36.0%減)。一方でAI関連求人の割合は増えています。実務では、手順化できる部分を渡したぶん、判断や顧客対応にあてる時間が増える形になります。どこを渡してどこを残すかを先に決めておくと、社内での説明もしやすくなります。

どのAIツールを使えばいいですか

最初の1つを試す段階では、ChatGPT・Claude・Geminiのどれでも大きな差は出ません。記事内のプロンプトはどれでもそのまま使えます。ツール選びで迷って着手が遅れるより、手元にあるもので1つ渡してみるほうが早く進みます。任せる仕事が決まってから、その仕事に合うツールを選び直すという順番で十分です。

補助金は使えますか

2026年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更され、制度の目的が「AI活用によるDX・ビジネス変革」に変更されました。制度の主眼がAI活用へ移っているため、公募要領で対象や条件を確認したうえで検討する価値はあります。申請要件は年度ごとに変わるため、最新の公募情報を確認してください。

まとめ|渡す仕事が決まれば、AI活用は動き出す

「自社の業務にどう活用できるかがわからない」という状態の正体は、ツールを知らないことではなく、渡す仕事を選べていないことです。

基準は1つ、マニュアルにできるかどうか。ゴールと手順が決まっている仕事は渡す候補。判断・関係・信頼がいる仕事は自分に残す。この2つに分けるだけで、「AIで何かする」という漠然とした課題が、「この作業を渡す」という具体的な作業に変わります。

求人データを見ると、手順が決まった作業の置き場所は実際に移動しています。制度の側も、補助金の名称と目的がAI活用へ再定義されました。分けておくと、この流れの中で自分がどこに時間を使うかを選べるようになります。

まずは1週間ぶんの業務を思いつく順に書き出して、記事内のプロンプトに貼るところから。分類結果に赤を入れていく作業そのものが、自社の業務構造を見直す時間になります。

手順が決まった仕事をAIクローンに任せる方法を見る →

この記事のポイントまとめ

・AIに任せる仕事の選び方=業務を「マニュアルにできる/できない」で2つに分ける
・ゴールと手順が決まっている仕事は渡す候補、判断・関係・信頼がいる仕事は自分に残す
・事務職求人は前年同月比36.0%減、AI関連求人の割合は0.28%から1.13%へ。仕事の置き場所が移動している
・2026年度から補助金の主眼がAI活用に再定義された
・棚卸しはAI自身にやらせ、分類結果に自分で赤を入れる
・現場業種でも「説明する・まとめる・書き起こす」系は渡せる
・最初は1つだけ選び、30点の出力に赤を入れながら育てる